共感覚?作曲家に合わせて着たいドレスの色。
どうも、がおーです。
突然ですが、
クラシックの演奏家がコンサートをする時、どのような格好をしているかご存知ですか?
ほとんどの方が、「ドレス」や「タキシード」などを想像されるかと思います。
大正解です!
厳密に言うと、オーケストラや吹奏楽団など大人数の団体の場合は、男性はスーツやタキシード、女性は黒の上下、または全員同じ制服など、統一されていることが多いです。
そして、ソロ(独奏)での演奏会の場合は、広い舞台上でも一人で目立たなければなりませんので、女性はドレスであったり、男性も少し華やかな色合いのシャツやネクタイを選ぶことが多いです。
今週のお題は「わたしの好きな色」ということで、今回はこのソロの場合のドレスのお話をしていきたいと思います。
女性のクラシック演奏家は大抵、ドレスを何着か持っています。
私の場合は、自分に似合う形、サイズ、デザインの物を何種類か、色は選べるようにそれぞれ被らないように揃えています。
理由を簡潔に言うならば、曲によって着たい色が違うからです。
もちろん、室内楽アンサンブルなどの本番で、共演する数人と「今回はみんな青系にしよう!」などと決めることもあるので、自分の好みと曲が常に合うわけではありません。そういう時もあります。素直に受け入れます。
ですが、"自分だけが演奏する本番"、"自分だけが目立っていい本番"の時は、「今回弾く曲は何色なのか」という感覚を大事にして、ドレスを選んでいます。
ところで、皆さんは『共感覚』という言葉をご存知でしょうか。
共感覚とは、五感の中で、ある刺激に対する通常の反応の他に、別の感覚も感じ取る現象のことを言います。例えば、文字に色を感じる、音に色を感じる、形に味を感じる、などです。
さらに詳しく知りたい方は共感覚 - Wikipediaのページをご覧ください。
この知覚現象が要因となり、「この曲ならこの色が着たいなぁ」という気持ちが生まれてきていると思っています。
音大の同期にも、「この曲ならこの色だよね〜」「この楽譜、この色っぽくない?」といった感覚を持っている子がいました。もちろん、みんなが必ず同じ結果にはならないので「え、私ならこの曲はこの色だけどなぁ」ということもありましたが、それは個性。十人いれば十通りの感じ方があります。
そして実は、私の場合は曲ごとではなく、作曲家に色を感じています。複数混ざり合う曖昧な色もあれば、はっきりとした単色の人もいます。
ここまでの話を、頷きながら読んでくれた方、または何のことやらと首を傾げながら読み進めてきた方、どちらの方にも楽しんで、面白がっていただければと思うので、以下に少しご紹介します。
もちろんこれらは私の感覚であり、正解も何もないので、こんな人もいるのね、そんな風に感じているのね、と温かい目でご覧ください。
(作曲家名50音順)
イザイ… 紫
ヴィエニアフスキ… 赤
ヴュータン… 青
エルガー… ピンク
ガーシュウィン… オレンジ
クライスラー… ベージュ、ピンク
グラズノフ… 水色
グリーグ… 深緑
サティ… 金
サラサーテ… 赤
シベリウス… 青
シマノフスキ… 銀
ショーソン… 青紫
ショスタコーヴィチ… グレー
チャイコフスキー… 曲によって違う
ドヴォルザーク… 茶
ドビュッシー… 青
ハイドン… ベージュ
パガニーニ… 赤
バッハ… 白、黒
バルトーク… 金
ビゼー… 赤
ブラームス… 緑
ブルッフ… 青
プロコフィエフ… 黒
ベートーヴェン… 黄緑
ベルリオーズ… 紫
ヘンデル… 水色
ボロディン… 黄緑
マーラー… オレンジ
ムソルグスキー… 紫
メンデルスゾーン… 黄緑
モーツァルト… ベージュ
ラヴェル… オレンジ、黒
ラフマニノフ… 青
ラロ… 赤、オレンジ
ロッシーニ… 白
いかがでしょうか。共感いただける色、もしくは賛成できない色など、ありましたか?
それにしても、自分で書いていてもなんだか笑える表が完成しました。
チャイコフスキーの、突然の「曲によって違う」というのは何なんでしょう。でも、彼は曲によって本当に色が変わるので決められませんでした。しいていうなら、虹色です。
私はヴァイオリン奏者なので、ソロの曲となると作品がない作曲家もいたり、逆に、特に有名でもないのにヴァイオリンの作品が多いので名前がある人もいたり、少し偏りがひどい表ですが、ご自分の感覚と比べてみるなど、楽しんでいただければ幸いです。
ところで、こんな何色もドレス持っているのかって?
…それが残念ながら、ないんです笑
人から借りるか、泣く泣く妥協します。
うーん、自由な音楽家にはまだまだ程遠いなぁ。
がおー